ダブルエンジン

今日も走った。ランニングのときの服装は上下ウインドブレーカー、足元は黒いミドルカットのエアフォースワンで、一見して黒人ボクサーのロードワーク姿のように見えないでもない。他の人が見てどう思うかは知らないけれど、僕自身は割と気に入っている。走り終えてシャワーを浴びて野菜と卵とハムを炒めてりんごを剥いて、これを書き終えたらビールを飲もうと思っている。

昨日は朝から方々に商談に回って昼食も思うようにとれないほどだった。いやー今日はよく働いた、誰も文句は言えないだろう、という気持ちで会社に帰ったら、成績のことで上司から怒涛の叱咤を受け、以前から4月いっぱいで廃業すると宣言していた僕の担当する会社が、実は昨日倒産してましたぺろーん、という衝撃の内容の封書が届けられていた。売掛金がけっこうあって、それを踏み倒された形になったので上司からは重ねて叱られた。散々だった。

今日は4月から入った新入社員にゆるゆるとデスクで書類関係の指導をし、そのままその後輩を連れてふらふらと得意先を回った。あまり実になる仕事が出来ず、しかも外回りの途中、上司から電話で提出書類に不備があったと指摘され、昨日の今日だったので戦々恐々と会社に帰った。でも今日はなぜか特にお咎めがなかった。ふむ。

僕がどうクリーンに生きようが何か悪いものに当たるときは当たるし、適度に手を抜いても結果が出るときは出るし、なんだかなーと思うことが多い。正しく生きていれば必ずいいことが起きる! なんて信じていない。しかしただ、何かラッキーな事象に出会ったとき、あれ? なんでだろう? とは思いたくはなくて、「僕の送っているまっとうな生活の報酬として当然だ、この幸運は」と胸を張りたいから、なるべく正しく、クリーンに生きようと思う。幸運を正当に受け取りたい。

明日から関西方面に出かけて大学の友達に会いに行く。道中の電車で、同郷で同じ大学の後輩の女の子と3時間くらい2人きりになる。女の子と2人、同じ目的地を目指すなんてとても久し振りな気がする。浮かれてんじゃねえぞ、別に後輩の子は僕に気があるとかそういうんじゃねえぞ、と思いながら、とりあえず鏡の前に立って鼻毛は精査した。男の身だしなみは鼻毛チェックから始まるのだ。